介護ベッドの基本!新楽匠!
はじめまして。弊社福祉用具担当の佐野と申します。用具に携わり始めて4年弱。ようやく知識もついてきました。今後は弊社HPに定期的なコラムを掲載し、私の独断と偏見による福祉用具考察を展開したいと思っております。よろしくお願い致します。
さて、13品目の福祉用具の中でも、やはり用具の顔は電動ベッドです。今回紹介したいのは、介護ベッドの草分け的存在である、KQ楽匠シリーズ 通称『新楽匠』です。
当時としては画期的な、液晶表示付きの手元スイッチを備え、背・足を同時に操作できる『らくらくモーション』を導入。高級感のある木ボードは日本家屋にマッチし、アクチュエーター(モーター)は新開発の静音タイプと、当時としては時代を先行する画期的な機種でした。
時代を経た今でも現役で稼働しており、流石に保険対応では出なくなりましたが、自費ベッドや中古ベッドとして今も納品しております。当時のベッドは重いので、納品時に苦労はしますが、その分堅牢で、歪みの心配などありません。ベースフレームはまさに鉄の塊です。
また現在のベッドのように、モーターがアクセサリーフレームに分散しておらず、駆動部は完全に独立しているため、まさにモーターが集中するベッドの心臓部。その重さはハンパではありません。ベースフレームに駆動部を乗せる際には、気合を入れないと失敗します。
ですが、中央に配置された駆動部は低重心であり、すなわちそれは、ベッドの安定性に寄与しています。完成したベッドに、介助バーをぶっ刺して、思い切り揺らしてもビクともしません。少々の衝撃があったとしても、城のように利用者を守るでしょう。
当時新開発のアクチュエータは本当に静かです。これだけ発売から年月が経っても、メンテナンスを怠らなければ、モーターの劣化はほとんどなく、駆動音は耳を澄まさなければ聞こえないレベル。利用者の安眠を阻害しません。
各パーツの分けられ方、組み立て方は本当によく考えられていると思います。構造を理解さえすれば、まず組み間違えはありません。各メーカーが参考にし、後の世に出るベッドの方向性を決定づけた商材だと思います。
文責 佐野 亘
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