究極の介護ベッドを目指した『楽匠Z』
シーホネンス、プラッツといった気鋭のメーカーがしのぎを削る中、業界の雄パラマウントは「究極の介護ベッドとは?」という新たな命題に取り組んでいました。
この頃、すでに介護ベッドに求められる性能(垂直昇降、背足同時操作、耐圧分散性等)は各社製品ともにほぼ満たしており、業界の雄であるパラマウントとしては、今までにない革新的なベッドを開発する必要があったのです。
「こうなれば構造ごと刷新するしかない」
「そして新たな性能をプラスしよう」
「他のメーカーには真似ができないベッドを作ろう」
という開発陣の会話があったかは定かでないですが、パラマウントはついに、今まで培ってきた技術とアイデアを結集し、全く新しい介護ベッドを開発したのです。製品名にローマ字の最終文字を冠し、満を持して世に放ったのが、『Z』の愛称で知られる『楽匠Z』です。
アクチュエータを備えた各々の脚部が、エレベーターのように垂直にせり上がる様は、まさに圧巻。ボトムはオール樹脂性に成り代わり、もちろんキューマラインは健在。背足連動操作も出来、リモコンは視認性に優れ、よりスタイリッシュになりました。
ですがこの『Z』の最大の売りは、脚部のアクチュエータ2基を独立して動作させ、ベッドごと傾けるという、荒業に近いモーションにあります。背足同時操作で最大角度まで上げた後、更にボタンを押し続けると、まるでご利用者がソファーにもたれかかるような姿勢になるのです。
ただ、完全な『ラクリアモーション』を実現するには、どうしてもアクチュエータを4基(!)搭載する必要があり、その変態性は否めませんが、パラマウントはこれまでの常識を破り、名機『楽匠Z』をもって、業界の雄ここにありと、見事に証明したのです。
文責 佐野 亘
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