15cmのアドバンテージ 『ラフィオ』
私が福祉用具の卸問屋でまだほんの新人の頃、先輩がいつものように車にベッドを積んでいたので、進んで(?)手伝ったところ、いつものベッドより、フレームがやけにぺったんこなのに気が付きました。
「ベースの昇降クロスフレームが完全に寝てますよ…これはこれでいいんですか?」
「これは低床ベッドだからね。おかげで普通のベッドより積載スペース取らない」
このベッドこそ、プラッツが変態的な技術力で開発した超低床ベッドであり、利用者の転落の不安や、転落した際の怪我のリスクを低減する目的に特化した『ラフィオ』だったのです。
このベッドのルーツを紐解くと、意外にも、以前このコラムで紹介した『ミオレット・フォー・ユー』の後継機として開発されたという経緯があります。ただし基本的な部分を継承しながらも、実際は全く新しいベッドとして世に放ったと言ったほうが正しいでしょう。
売りはなんと言っても、利用者が高さへの不安をなくす超低床15cmの床面高。普段布団で休まれている方にも、抵抗感の少ない高さです。一番下までベッドを下げると、昇降クロスフレームが完全に床と平行になり、実質ベッドがぺったんこに。その様は他のベッドと比べて完全に異質です。
もう一つの売りは、頭部のボトムのみが独立して動作(2モーターは背連動)する『ハイバックサポート』です。背上げ時に頸部の角度を調節することで、嚥下しやすい姿勢の再現が可能。摂食嚥下リハビリテーションのサポート、誤嚥リスクの低減が期待できます。
シーホネンスの現行ベッド『emi』も、頸部だけ独立させて動作する『電動ヘッドレスト』を売りの一つにしていますが、元祖はこのラフィオです。
他にも垂直昇降、膝位置のフィッテング調整、使いやすい手元スイッチ、LINAK社製静音アクチュエータ等、紹介しきれないほどのポイントが満載です。そして当然これだけの高性能ベッドなので、どうしても単位数はお高めになってしまいます。
ですが、ラフィオには唯一無二の超低床という、他に代えがたい性能があるので、ご家族やご本人のご要望や住環境が整えば、名指しで依頼が来る尖った商材なのです。
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